社会福祉国家試験対策人体の構造と機能及び疾病 脳幹
- By: Kuririn
- カテゴリー: 人体の構造と機能及び疾病, 社会福祉士国家試験対策
人体の構造と機能及び疾病
神経系について
人間の脳は,中枢神経と末梢神経に大別され,それぞれの分類は以下のようになる。
まず,中枢神経には脳と脊髄とが挙げられ,脳は大脳,小脳,間脳,脳幹に大きく分類できる。
脳にはいろいろな機能があることは,おそらく皆さんご存知だろうが,ここでは脳幹について,簡単に解説しておく。
スポンサーリンク
脳幹
脳幹は,脳の最下部にあり,脊髄と脳をつなぐ部分である。脳幹には,下から延髄,橋,中脳が含まれており,延髄が脊髄と繋がっている。
「脳」の「幹」という文字で表す通り,脳幹には大事な組織がたくさん詰まっている。
まず,構造からわかる通り,大脳と身体全体をつなぐ部分であり,身体全体から脳に伝わる求心性神経線維と,脳から身体全体へと伝わる遠心性神経線維が集合した通路となる。
また,単なる通路ではなく,情報を伝える分岐点・中継点の役割を担う神経細胞群(神経核)が脳幹に集中しており,多様な機能を持っている。
脳幹のはたらき
脳幹には,以下のような働きがある。
1.多数の脳神経が出入りし,多数の神経核が存在する。
2.脊髄から視床へ上行する感覚神経路が存在する。
3.上位中枢から脊髄に下降する運動神経路が存在する。
4.姿勢反射の中枢である。
5.自律神経機能中枢が存在する。
6.意識と覚醒に重要な神経回路が存在する。
脳幹網様体
脳幹には,網様体という構造があり,呼吸・心拍・血圧を調節する副交感神経の中枢が存在する。そのため,脳幹は生命維持の中枢といえる。
また,網様体は,視床を介して覚醒と睡眠の調節にも深くかかわっている。
例えば,寝ているときに,大きな音で目が覚める,という経験は誰でもあると思う。
何かしらの音が聞こえたときに,その音の情報は,聴覚野に送られる。一方で,脳幹を通して大脳全体の活動水準が高められ,覚醒へとつながる。このような機能は網様体賦活系と言われる。
もし脳幹網様体が障害されると,痛みや音などの刺激が伝わりにくくなり,覚醒することができなくなり,意識障害などが生じる。