少子高齢化がどんどん進んで,「年金制度が崩壊する」とまことしやかにささやかれている。
でも,年金制度が崩壊する,なんてことが本当にあるのだろうか。
ここでは,それについて考えてみたい。
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年金制度の必要性
では,「もし年金制度がなかったら,あなたはどれくらい貯めますか?」と聴いてみよう。
500万?1000万?3000万?
たとえば,65歳で退職して,それから年金暮らしになったとしよう。
ぎりぎりの生活で,1年に200万円で生活できるとする。
そうすると,仮に75歳まで生きたとして,2000万円必要になる。
75歳までなら,まだいい。
万が一100歳まで生きてしまったら,7000万円必要になる。
年金制度は「社会保険」と言われる。
「保険」とは,何か不慮の事態が起こった時のために備えるものだ。
では,年金制度は,どんな不慮の事態に備えるのだろうか。
それは,「長生き」してしまうリスクに備えるためのものだ。
あなたは,自分がいつ死ぬのかわからない。
65歳ぴったりで死ねれば,貯金も何も必要ないだろう。
しかし,万が一100歳まで生きてしまったら。。。
あなたは生きていくだけで(そして,ほとんど最低限の生活を維持するだけで),7000万円が必要になってしまうのだ。
それに備えるのが,「年金」という社会保険制度だ。
インフレにも対応
年金が,長生きのための保険だということはわかった。
でも,オレは1億の財産があるから,年金なんていらないよ!
なんて人もいるかもしれない。
なるほど,1億もあれば,それなりに生活していけるかもしれない。
でもちょっと考えてみて欲しい。
1940年,日本はお米10kgが3.3円だった。
現在は,大体3000円~4000円くらいだ。
じゃあ,1940年代の人の気持ちになって考えてみよう。
「老後のために,10万円貯金できた。これで,老後は安泰だ!」
筆者が,何を言いたいかわかるだろう。
インフレーションという現象がある。
いま,1億を貯めたからと言って,それが30年後,50年後に,どれくらいの価値になっているのか,まったくわからない。
だから,現行の年金制度は,現役世代が,高齢者世代を支える仕組みを取っている。
年金制度は必要な制度
こうやってみると,年金制度は必要で,当然生まれるべくして生まれたものだと納得していただけるのではないか?
もしこの制度がなくなってしまえば,路頭に迷う高齢者だらけになってしまう。
そうすると,憲法で,健康で文化的な制定限度の生活を守ることが約束されている以上,生活保護費が半端ないことになる。
筆者は,日本が経済破綻しない限りは,年金制度は崩壊しないだろう,というか国が守るだろうと考えている。
当然,受け取れる年金額が減ることはあるかもしれないが,年金制度そのものが崩壊することはまずないだろうと考える。
(ま,日本の経済制度が破綻することはありうるのかもしれないけど。)
まとめ
とりあえず,年金というのは「長生きするリスクに対する保険」であること。
そして,この制度は,まず崩壊しないだろう。
ま,年金制度の負担を緩和するために,年金を受け取れる年齢を上げたり,そういう政策はいろいろとやられると思うけどね。
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