「学ぶことは楽しい」なんて,たくさんの人が言っていることだけど,本当にそうなんだろうか。
「学校で習うことなんて,将来役に立たない。」という意見もたくさんあるだろう。
例えば,算数や数学なんか,社会人になってから全然使わない,と思っている人も多いのではないだろうか。
実際,社会人になって使う数学系の知識は,たしかに社会に出て使わないことも多いかもしれない。
けれども,勉強することは,その人の人生を豊かにしてくれる。
今回は,それについてちょっと考えてみたい。
目次
世の中はつまらないものだらけ
多くの人がやっている趣味は,多くの人にとってつまらないことだらけだ。
例えば,野球はただボールを投げて,それを打って,走るだけだ。
それの何がおもしろいんだろう。
サッカーだって,ボールを蹴って走るだけ。
サッカーのルールを全く知らず,はじめてサッカーを見る人には,それの何がおもしろいのかわからない。
世の中には,「趣味」と言われるたくさんの活動がある。
釣りが好きな人もいれば,絵を描くことが好きな人がいる。
料理が好きな人もいるし,サメの骨を集めるのが好きな人もいる。
その分野に興味がない人からしてみれば,多くの「趣味」と呼ばれる活動は,まったくおもしろくなく,
その「趣味」を楽しんでいる人の様子を見ても,まったくつまらなく感じてしまうだろう。
どうして「趣味」ができるのか?
それでは,「趣味」が「趣味」となり得るのは,どうしてだろうか。
おそらく,最初は見ていても「つまらない」と感じたことも,やっていくうちに「おもしろい」と感じられるようになったからだろう。
例えば,野球観戦が好きな人は,最初はよくわからない野球を何度も観戦していくうちに,
段々とその面白さに気が付いていき,野球を観戦することが「趣味」になってきているはずだ。
これは,どんな「趣味」にも言えることで,
やり始めて,そのことが少しずつわかってきて,はじめて「趣味」となり得る。
人間には,もともと知的好奇心や向上心がある。
赤ちゃんを観察してみると,新しい音や刺激に対して,それに耳を傾け,
ある程度聴き慣れた音や刺激に対して,心地よくなったり,その刺激を求めるようになる。
また,自分ができなかったことに対して,どうしたらできるようになるのか,試行錯誤しながらできるようになろうとする。
おそらくそれが「趣味」の元型であろう。
何度も触れたり,何度も挑戦することにより,それに興味を持ち,その活動をすることが楽しくなってくる。
一生懸命やること・学ぶことが「趣味」の始まり
おそらく多くの人が「趣味」を持っている。
その「趣味」は,自分が何度も触れたり,試行錯誤するうちに,そのことを深く学習し,新しくできるようになったりすることで,「趣味」となっていっている。
なんとなくやっているだけでは「趣味」となり得るほど,その活動を好きにはならない。
重要なのは,一生懸命その活動をやっていくことだ。
一生懸命やらなければ,知的好奇心も活性化されないし,「それを上手くなろう」という向上心も芽生えないだろう。
「趣味」とは,自分から進んで,その活動に対して一生懸命にならなければ,獲得できないものだといえる。
勉強は趣味を広げる
学校で習うことも,自分から進んで一生懸命にやれば,それはあなたの知的好奇心や向上心を刺激する材料になり得る。
現に,算数や数学を趣味でやっている人もいるし,本を読むこと,社会のいろんな仕組みを知る事,生物や化学に関わる趣味を持っている人もたくさんいるだろう。
大学なんかは,いろんな分野のことが学べるので,自分の教養を豊かにする素晴らしい機会だ。
現に,その大学で教えている先生は,その分野のことが好きになって,自分から研究をしている人だ。
つまり,それだけ,ヒトがおもしろいと感じられる内容であるはずだ。
大学で多くの知識や考え方に触れることは,知的好奇心を刺激し,その人の人生を豊かにしてくれるはずだ。
ただし,そうするには条件がある。
それは,単位を取得するために仕方なくやるのではなく,自分から進んで一生懸命それに取り組むということだ。
もし,仕方なく話を聴いているだけでは,それは単なる「つまらない授業」になってしまう。
それに対して,自分から進んで大学の講義を聴いていれば,だんだんとその面白さがわかってきて,
「おもしろい」と感じられるようになるはずである。
「おもしろい」と感じられることが多ければ多いほど,その人はたくさんの知識や技術を習得することができる。
人生を豊かにする,というのは,まさにこういうことを言うのだろう。
まとめ
そういう意味でも,学校の勉強は何らかの問題意識を持って取り組んだ方が,有意義だ。
大学なんていく必要あるのか?にも書いたけど,そういう問題意識を持って授業を受けるには,
一度,社会人を経験して大学に入るのが効率的なんじゃないかと筆者は考えている。
小学校や中学校で「勉強はつまらない」と誤学習しており,それがずっと続いている人は,大学などに進学しても何も学ぶことはないだろう。
たしかに,興味のあることがたくさんあるから,人生の役に立つのか?と言われれば,そうとは言い切れない。
けれども,多くの事に興味をもち,それに対する知識を得ることが楽しくなれば,人生を上手く生きていくことの役にはたたないとしても,楽しい人生,豊かな人生を歩む助けにはなるはずだ。
自分から進んで一生懸命取り組むこと。
それが,その人の人生を豊かにするのは間違いないと筆者は考えている。