母親になるということ

子育て

妻と息子は静かに寝ている。
息子は明日で,1か月。
おそらく,「良い子」である息子は,大きな病気もなく,文字通りすくすくと育っている。

けれども,父親として,「大変だなあ」と思うこともたくさんあるから,ここに記録として残しておきたいと思う。

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寝ぐずり

おそらく,生後2週間くらいからだと思う。
ミルクはさっき飲ませた。おむつをかえた。
それでも,息子が泣き止まないときが出てくるようになった。

最初は,両手両足をばたばたと動かし,「うー」とか「あー」とか,声を出す。
段々と動きが激しくなってきて,しまいには泣き始める。

これは息子が「抱っこ」を要求しているサインだ。
大抵は抱っこしてあげると落ち着く。
これは,著者でも妻でも構わない。

しかし,抱っこしようが何をしようが落ち着かない時がある。
この時は,抱っこして立ち上がって,揺らしながら歌を歌っていれば落ち着く。
揺らして歌を聴いているうちに,息子がだんだんと眠たくなっていくのがわかるので,
「ああ,これが寝ぐずりなのか。」とわかる。

しかし,これからが大変だ。
歌や揺らしが止まると,再び泣き始める。
そうこうしている内に,1時間,2時間と経っていき,こちらの腕も声も限界になってしまう。

私が休みの時は夫婦交代で息子の要求にこたえるが,私が家にいない時は,本当に大変だろう。
妻はそれでも息子の要求にこたえ,最近は肩や腕が筋肉痛だと笑いながら言うようになった。

私はと言えば,妻がいない時は,途中で放棄してしまう。
さすがに1時間くらいなら耐えるけど,それ以上になると
「泣くことも必要。そのうち寝るだろう。」と,そのまま横にしてしまう。
もちろん,息子はぎゃんぎゃん泣いて,抱っこを求めてくる。

それでも途中で疲れて泣き止むので,著者の判断が間違いというわけでもなさそうだ。

新生児も要求をかなえてくれる人がわかる

そのうち,息子に変化が現れるようになった。

明らかに妻があやしている方が,落ち着く頻度が高い。
我慢強く接してくれる「母親」をしっかり認識しているように感じる。

事実,私が抱っこしても泣き止まない時でも,妻が抱っこしてくれるとすぐに泣き止むようになる。
あれだけ寝ぐずりしていた息子が,妻が添い寝して腕を触っているだけで,安心したように眠るようになった。
著者の場合はそうはいかない。
もちろん,抱っこして揺らせばそれなりに落ち着くし,別に著者が抱っこしたからといってギャン泣きするわけでもない。
沐浴は著者が担当しているが,その時も上機嫌な様子で,おとなしく湯船につかっている。

安心感,信頼感が芽生えたということなのだろうか。
私と比べれば,妻が抱っこする方が,明らかに寝ぐずりは少なくなり,妻が抱っこしてゆりかごの歌を少し歌えば,すぐに寝付くようになってきた。

「おなかが空いた。」,「おしりが気持ち悪い」という生理的な欲求の他に,「抱っこして」という欲求を表出するようになったとき,著者は「そんな欲求がでるとは成長したな。」と感じたものだ。
生理的な欲求ではなく,対人的な欲求がでるというのは,少し欲求の次元が上がったと解釈できるからだ。

そして,息子は,「どんな時でも自分の欲求をかなえてくれるひと」を認識したように感じる。
それが「母親」であり,その母親が近くにいることが認識できれば,安心して過ごすことができる。

大切なのは,無条件で欲求をかなえてくれる人

妻は,もともと子どもがすごく好きなわけではない。
どちらかと言えば,「子どもは何を考えているかわからないから,少し苦手」だとも言っていた。
そして,「こんな私が,本当に親として子どもを育てられるのか不安になる。」とも。

しかし,いまはしっかりと母親をやっているように思う。
「私が産んだからかわいいんじゃなくて,このくらいの年の子は,だれでもかわいいとは思う。
でも,『私が産んだから。』っていう実感はなくて。
だから,『子どもはかわいい。だから,その子のことは面倒を見たくなる。』
それだけでいい気がする。
私は,この子と一緒にいる時間が一番長い。だから,私はこの子の母親なんだ。産んだからじゃない。」

著者は妻の負担も減らしたいから,できるだけ早く帰って,休みの日はできるだけ妻の時間を作ってあげたいと思っている。
「今日,オレ休みだから。面倒は見るから自由に遊びに行ってもいいよ。」と言うと,
「うん,ありがとう。でも,私も一緒にいたいから。」と言う。

そんな「母親」の事がわかっているんだろう。
家に帰るとたまに,息子と妻は手をつないで寝ている。
息子は手をつながれただけで,安心して大の字で寝ているんだ。
子どもを愛する母親,母親を信頼して安心して寝る息子を見ると,妻も子どももとても愛おしく感じる。

まとめ

生物的に「産んだ」から親になるわけではないと私は思う。
できるだけ,子どもの欲求に寄り添い,子どもが安心できる存在が母親なのだろう。

私だって,子どもに信頼されてないわけじゃないと思う。
それでも,子どもにとっては,妻と触れあっている時間が,一番安心できるのだろう。

父親って何だろう。たぶんそれは,どんな時でも味方になってくれる力強い存在だ。
それがわかるのは,息子がもう少し大きくなってからのことだろう。
いまは,いろんな欲求を満たしてくれる母親が側にいてくれる事。
それが彼にとって,最も安心できることであり,一番の幸せなんだろうと思う。

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