少子化の現状でも書いたように,日本の少子化は進行しているといってよい。
その原因はいくつか考えられるが,大学の進学率が高くなったからなのではないか,という仮説が立てられる。
ここでは,簡単にそれについて検証してみようと思う。
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大学進学率が少子化に与える影響(推論)
大学へ進学した場合,浪人・留年をしない場合には,卒業するのは22歳となる。
そこからすぐ就職,結婚という流れになったとしても,おそらく子どもをもうけるのは25歳前後となるのではないだろうか。
結局,結婚・出産の年齢は遅くなり,結果として生涯に産む子どもの数は減少すると考えられる。
また,大学に進学して就職した場合,大学は都心部に集中するため,都心部で就職する割合が高くなる。
都心部は家賃も高く,生活を維持する上で必要となるお金は高くなってしまう。
そうすると,結婚や出産は先延ばしになることが推測される。
実際,大学への進学率は,大学なんていく必要あるのか?に書いた通り,上昇している。
日本の出生率の低下は,この大学への進学率の上昇が大きな影響を与えていると考える。
大学進学率のデータ
https://todo-ran.com/t/kiji/15083に,2016年の都道府県別の大学への進学率のデータが掲載されている。
進学率の高い都道府県は,1位東京都,2位京都府,3位神奈川県となっている。
一方進学率の低い都道府県は,1位沖縄県,2位鹿児島県,3位山口県となっている。
合計特殊出生率のデータ
https://todo-ran.com/t/kiji/16694には,2016年の都道府県別の合計特殊出生率のデータが掲載されている。
合計特殊出生率の高い都道府県は,1位沖縄県,2位島根県,3位宮崎県。
逆に低い都道府県は,1位東京都,2位北海道,3位京都府となっている。
これだけをみると,合計特殊出生率はいわゆる田舎では高く,都心部は低い,という結果になる。
北海道がなぜ低いのか,これにはいろいろな憶測があるけど,若者が都心部に流出することが原因として挙げられている。
じゃあ,沖縄や島根が何で高いのか,その辺はよくわからんけどね。
データをちょっと分析してみた
https://todo-ran.com/t/kiji/16694から,2016年の合計特殊出生率のデータを,
https://todo-ran.com/t/kiji/15083から,2016年の大学進学率のデータを,
ついでに,https://doda.jp/guide/heikin/2016/area/から,2016年の平均年収のデータを抽出してまとめてみた。
これがそのエクセルデータである。
で,これらの相関分析をしてみた。
2016年の合計特殊出生率と2016年の進学率とでは,r = -.52であり,負の相関となった。
2016年の合計特殊出生率と2016年の平均年収とでは,r = -.39の相関であった。
-.52であれば,それなりの相関があると言える。
つまり,進学率が高ければ,合計特殊出生率は下がる,という結果だ。
もちろん,合計特殊出生率は様々な要因が関わるだろうし,これが偽相関の可能性も否定できないけど,それでも筆者は先に述べたように,大学への進学率が合計特殊出生率に与える影響はそれなりにあると考えている。
まとめ
日本では,学問の自由が認められており,筆者自身も男女限らず,それぞれの意思で大学に進学することは否定しない。
しかし,大学になんていく必要あるのか?にも書いた通り,筆者は日本の大学に進学することにメリットがあるのか,というところには少し疑問を感じている。
一方で,子どもをたくさん育てるのが幸せな人生なのか,と言われれば,必ずしもそうとは言えない。
(まあ,筆者自身子どもができて,すごく楽しいけど,みんなが同じように感じるとは考えていない。)
日本全体としてみたとき,子どもが少なくなると経済的に苦しくなるけど,
経済状況を好転させるには,子どもを増やすことも一つの方法だけど,もっと別の方法もあるんじゃないのかな,なんて思う。
まあとりあえず,日本の少子化が進行している原因の一つとして,大学への進学率が高くなったことが要因の一つであろう,
というにとどめておきたい。